日本人と言ったら「味噌汁!」というくらい、長い間日本人に愛されてきた味噌汁。
味噌汁は鎌倉時代から飲まれているそうです。つまり、約800年も飲まれ続けてきたことになります。
すごいですね・・!
味噌の何がいいかというと、味噌自体の栄養素も素晴らしいですが、「ほとんどの種類の野菜やお肉を入れても美味しい」ことです。
たくさんの具材を入れることで、栄養素を大きく引き上げることができます。
しかも、味噌汁はスープを飲み干すので、具材から溶け出てしまった水溶性ビタミンなども全て摂ることができるんです。
味噌汁を飲む習慣がない方も、ぜひ生活に取り入れていきたいですね^^。
この記事ではこんなことがわかります。
- 味噌の種類と特徴
- どの味噌のが栄養価高い?
- 味噌汁の効果効能
- 味噌汁を作る際の注意点・コツ
味噌には様々な種類がある中で、最も栄養価の高い味噌の紹介。
また、料理する際にある点に気をつけないと微生物が失われてしまうということも・・。その点も解説しています。
この記事を読んで、毎日の生活に味噌を取り入れていただけたらと思います^^。
文部科学省「食品成分データベース」
この記事の目次
味噌の種類と特徴
味噌汁の効果を紹介する前に「味噌の種類」を知っていただけたらと思います。
味噌は、3つの分類方法があります。
- 使用原料
- 味(甘口・辛口)
- 色味(白・赤)
1.使用原料(麹)による分類
発酵させるための「麹」に何を使用するかで種類が異なってきます。
補足
麹とは、穀物に麹菌を繁殖させたものを言います。酒や醤油などでも使用されています。
麹の種類
- 米麹→米味噌
- 麦麹→麦味噌
- 豆麹→豆味噌
米味噌が最も一般的な味噌です。
日本全国で作られており、味に癖がないので様々な料理に合わせやすい味噌です。
麦味噌は、九州や中国地方を中心に作られています。
麦の香ばしさと、麹の甘みを持った味噌です。甘さあのある味噌が好きな方にはおすすめです。
豆味噌は中京地方(愛知県など)が主な産地です。
愛知県といえば、「味噌カツ」や「味噌おでん」ですよね?これらに使用されている味噌が豆味噌です。
豆味噌は肉や魚の味をさらに引き出す味噌として知られています。
2.味(甘口・辛口)による分類
味噌は、味(甘口・辛口)により分類できます。
味は、「麹の量」と「塩分量」により決まります。
麹の量は多ければ多いほど、甘みが強くなる傾向が強いです。
甘口味噌の場合、塩分は5~7%。辛口味噌の場合、約12%の塩分量があります。
3.色味による分類
赤味噌・白味噌というのを聞いたことがありますよね?
これは、発酵の段階で「メイラード反応」がどれだけ発生したかによる違いです^^。
発酵すればするほどメイラード反応が進むので、基本的には白味噌は「短い時間の熟成期間」の味噌です。
一方、長時間熟成させたものが赤味噌になります。
また、麹の量でも色味が変わります。
麹の量が多いと白味噌になり、少ないと赤味噌になります。
麹の量で味が決まるため、白味噌は甘く、赤味噌は辛味が強いものが多いです。
そこで、各味噌の栄養素を比較しながら紹介します。どの味噌がいいのか判断できると思います^^。
味噌の栄養素を比較しながら紹介!
米味噌(甘味噌)・麦味噌・豆味噌の主な栄養成分(100gあたり)を比較しながら紹介します^^。
※表は横スクロールできます。
カロリー | タンパク質 | 脂質 | ナトリウム(塩分) | カリウム | カルシウム | 鉄 | ビタミンB1 | 食物繊維 | |
米味噌(甘味噌) | 217kcal | 9.7g | 3.0g | 2400mg | 340mg | 80mg | 3.4mg | 0.05mg | 6.1mg |
麦味噌 | 198kcal | 9.7g | 4.3g | 4200mg | 340mg | 80mg | 3.0mg | 0.04mg | 10.7mg |
豆味噌 | 217kcal | 17.2g | 10.5g | 4300mg | 930mg | 150mg | 6.8mg | 0.04mg | 10.9mg |
こうして比べてみるとわかるのですが、タンパク質・カリウム・カルシウム・鉄・食物繊維など、あらゆる面で優れているのは「豆味噌」です。
ただ、お店に行くとわかるのですが、中京地方(愛知県など)以外で豆味噌を販売しているお店は少ないです。
米味噌と麦味噌の栄養素はほとんど変わりません。
そこで、どちらの味噌でもいいので「赤味噌」を選ぶのがおすすめです。
味噌を摂る、一番のポイントは「発酵食品」であることです。
赤味噌は発酵期間が長いため味噌の微生物が発達し、より発酵食品の恩恵を受けることができます。
もし豆味噌がある場合は豆味噌を。
もしないなら、赤味噌を選んで味噌汁を作るのがおすすめです^^。
味噌汁に期待できる効果効能6選
1.美肌効果
味噌汁には、グルコシルセラミドという成分が含まれています。
グルコシルセラミドは、肌の細胞形成を促す「基底層」を活性化し、肌の形成を促進します。
また、遊離リノール酸が含まれており、メラニン(肌を黒くする)の合成を防ぐ効果があります。
その結果、白くて綺麗な肌が期待できます^^。
2.抗酸化によるエンジングケア
味噌汁には、ビタミンEとサポニンが含まれています。
ビタミンEは「若返るビタミン」ともばれるほど、抗酸化作用が強いビタミンです。
また、サポニンには抗酸化作用により、活性酸素を除去する力があることがわかっています。
活性酸素は外見をサビさせる(老い・シミ・シワ)の原因になるだけでなく、体の内側(血管・内臓)をサビさせます。
体の酸化はあらゆる生活習慣病の原因や老いの原因になるので、エイジングケアを目指す方は、特に積極的に摂っていきたいですね!
3.コレステロールの吸収を抑え、動脈硬化や脳卒中を予防
大豆に含まれるリノール酸と大豆レシチンにより、悪玉コレステロールの吸収を抑えることができます。
悪玉コレステロールは、血栓の原因になります。
血管に傷ができた時、血小板が傷を塞ぎます。その際、悪玉コレステロールが血小板を含んでどろっとした塊になり血を塞ぎます。
もし脳に血栓ができれば脳卒中になり、心臓にできれば心筋梗塞を引き起こします。
4.骨粗鬆症予防とリラックス効果
味噌汁には、大豆イソフラボンという成分が含まれています。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをする成分です。
女性は年齢を重ねると、骨粗鬆症に悩む方が多くなりますよね?
それは、年齢を重ねると、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が少なくなるからです。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするため、エストロゲン分泌減少による骨粗鬆症を防ぐ効果があります。
5.安眠効果
味噌汁にはトリプトファンという成分が含まれています。
トリプトファンは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促す働きがあります。
日中にセロトニンを分泌することで、夜には快眠ホルモンである「メラトニン」を分泌します。
そのため、味噌汁は朝飲み、トリプトファンを摂取することをおすすめします^^。
6.便秘改善・腸内環境改善効果
味噌汁には食物繊維が含まれています。
食物繊維は、便の量を増やしたり、便に水分を与えることで便の排出を促すことで便秘改善効果があります。
また、味噌汁には微生物が豊富に含まれています。
味噌汁から善玉菌を摂取することで腸内の善玉菌の数が増え、腸内環境改善効果が期待できます。
味噌汁を作る際の注意点
味噌汁から摂っていただきたいのは、味噌が発酵する過程で発生した「微生物」です。
しかし、調理を気をつけないと、味噌の微生物が失われてしまうんです・・。
気をつけていただきたいのは「温度」です。
味噌の酵母菌は70度で徐々に失われていき、乳酸菌は50度で失われていきます。
「味噌は火を止めてから溶き入れる」というのは聞いたことがあると思います。
しかし、正しくは「火を止めてしばらく経ってから味噌を溶き入れる」が正しいんです。
火を止めてすぐでは、まだ温度が高い。50度くらいで味噌を溶き入れるのが最もおすすめです^^。
まとめ
味噌は大豆を麹により発酵させたものです。
大豆の栄養素を摂ることができる上、発酵により多くの微生物が発生することで、腸内環境改善効果が期待できます。
他にも、味噌を摂ることでこんな効果が期待できます。
- 美肌効果
- 抗酸化によるエイジングケア
- コレステロールの吸収を抑える
- 骨粗鬆症予防
- リラックス効果
- 安眠効果
- 便秘改善
麦味噌・米味噌・豆味噌と種類がありますが、最も栄養価が高いのは豆味噌です。
しかし、豆味噌を売っているところは珍しい為、米味噌か麦味噌の「赤味噌」がおすすめです。
調理する際、味噌を溶き入れるのは50度程度にしてください。
温度が高いと、せっかくの微生物が徐々に減ってしまいます。
味噌を溶き入れる温度に気をつけながら、味噌汁の中にたくさんの野菜を入れて、毎日元気に過ごしていただけたらと思います^^。