体に良い野菜と知られるほうれん草。
私が幼い頃は、毎食のようにほうれん草が並んでいました(汗)。
アニメのポパイの影響があるのかもしれませんが、ほうれん草に良いイメージを持っている方が多いように思います。
しかし、ほうれん草には「鉄分以外にどんな栄養価があるのかご存知ですか?」と聞いても答えられる方は少ないはず・・!
そこで、今回はほうれん草の栄養素や期待できる効果効能を紹介します^^。
- ほうれん草の栄養素と効果効能
- ほうれん草は筋トレ(筋肉)に効果ある?
- シュウ酸除去とビタミンを残す最適な茹で時間
- ほうれん草の茹で時間
- 保存方法
ほうれん草のシュウ酸を除去する方法なども紹介しています。
シュウ酸は茹でると除去できますが、茹ですぎると無くなってしまうビタミンもあります・・。
ぜひ茹でる最適時間も知っていただき、ほうれん草の豊富な栄養を丸ごと摂れるようになっていただけたらと思います^^。
文部科学省「食品成分データベース」
この記事の目次
ほうれん草の栄養と効果効能は?
「ほうれん草を食べなさい!」と、一度は言われたことがあるかもしれません。
それくらい、ほうれん草は「体にいい」と思われている野菜です。
そんなほうれん草にはこんな栄養が含まれています。
- カロリー・・84kcal
- 脂質・・0.4g
- タンパク質・・2.2g
- 食物繊維・・2.8g
- ビタミンB1・・0.11mg
- ビタミンB2・・0.20mg
- ビタミンC・・35mg
- ビタミンE・・2.1mg
- ビタミンK・・270mg
- β-カロテン・・4200μg
- 鉄分・・2mg
- カルシウム・・49mg
- マグネシウム・・69mg
- カリウム・・690mg
ほうれん草と言えば「鉄分」というイメージがあると思います。
これはその通りで、ほうれん草の鉄分の含有量は全野菜中でトップクラスです。
ほうれん草より鉄分が多いのは小松菜くらいですね。
また、他のミネラル・ビタミン類もほぼ含まれていて、食生活の強い味方になってくれる野菜です。
ここまでバランスよく、かつ豊富に栄養素が含まれている野菜は他にないと思います。
「ほうれん草が体にいい」というイメージは確かに間違いではないと思います^^。
ここからは、ほうれん草を食べることでどんな効果効能が期待できるのか、詳しく紹介していこうと思います。
1.貧血予防・改善効果が期待できる
ほうれん草と言えば、鉄分ですよね?
ほうれん草には野菜の中でもトップクラス鉄分含有量を誇ります。
鉄分は、赤血球のヘモグロビンを作る必須栄養素です。
ヘモグロビンは酸素を運搬する役割があります。
貧血は鉄分不足と思われていますが、実はヘモグロビン不足による「酸欠」状態なんですね。
鉄分は「血造」にも関わる栄養素です。
血造とは血を造ることで、鉄分を取ることで血液量が増えます。
その結果、身体中を栄養素が効率よく巡ることができ、貧血改善だけでなく疲労回復効果も期待できます^^。
2.抗酸化・エイジングケア(美肌)効果が期待
ほうれん草にはβ-カロテンやビタミンEが含まれています。
β-カロテンはビタミンEは抗酸化作用がある栄養素です。
ちなみに、ほうれん草にはβカロテンの多いイメージのあるブロッコリーの5倍以上のβカロテンを含んでいます。
酸化とは活性酸素(フリーラジカル)により「体をサビさせる」もので、活性酸素は呼吸や運動、食生活や大気汚染などから発生します。
私たちの現代の生活環境から発生する活性酸素(フリーラジカル)が多すぎて、無害化できません。
無害化できない活性酸素(フリーラジカル)は細胞を攻撃するので、正常な細胞の発達を妨げます。
その結果、生活習慣病や老化(シミ・シワ等)の原因になります。
エイジングケア(美肌)・美容を考える女性は、特に抗酸化作用のある栄養素を摂っていきたいですね!
3.ストレス軽減と骨粗鬆症予防効果が期待できる
ほうれん草には、カルシウムが多く含まれています。
カルシウムは骨を強くすることで有名ですよね?
しかし実は、カルシウムは吸収率がよくない栄養素なんです。
牛乳のカルシウム吸収率は約50%、野菜のカルシウム吸収率は17%と言われています。
ほうれん草にはカルシウムの吸収率を上げる栄養素も多く含まれています。それがビタミンKです。
ビタミンKはカルシウムを骨への沈着を促進する作用があるので、カルシウムの吸収率が上がるわけです。
カルシウムとビタミンKのダブル効果で、より骨粗鬆症予防効果が期待できます^^。
また、カルシウムは血中では「カルシウムイオン」として存在しており、精神安定によりストレス軽減効果も期待できるんです。
4.むくみ改善とデトックス効果が期待できる
ほうれん草にはカリウムが含まれています。
カリウムは体の過剰な水分を排出する作用があります。
むくみは「お酒を大量に飲む」と発生しやすいことからわかる通り、過剰な水分が体に溜まることで発生します。
カリウムはその過剰な水分を排出してくれるので、むくみ改善・予防効果が期待できます。
また、水分が排出される際に体の老廃物も一緒に排出されるので、解毒(デトックス)効果がも期待できるんです^^。
ほうれん草は筋トレ(筋肉)に効果的?
昔とても人気だったアニメに「ポパイ」があります。
ポパイはピンチになるとほうれん草を食べ、食べると「筋肉がムキムキになり敵をやっつける」というストーリです。
本当にほうれん草が筋トレ(筋肉)に効果的か?というと、本当に効果的なんです。
ほうれん草のカリウムやマグネシウムなどのミネラル群は、筋肉の収縮に関与しており筋トレをサポートしてくれます。
また、ビタミン類は筋肉の形成に必要なタンパク質の代謝を促してくれます。
ほうれん草だけ食べて筋肉がムキムキになることはありませんが、タンパク質が豊富な食べ物と一緒に食べる事で、筋トレの強い味方になってくれるのは間違いありません^^。
シュウ酸の除去のオススメ茹で時間
ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれている野菜です。
ほうれん草を食べた時「キシキシ」となることがありますよね?
この「キシキシ」の正体は、ほうれん草のシュウ酸と口内のカルシウムが結びついた「シュウ酸カルシウム」が原因です。
このシュウ酸を取り除くために「ほうれん草は茹でてから食べる」のが常識になっています。確かに、シュウ酸を取り除くには茹でることが必須です。
レンジで加熱しても無水鍋などで調理しても、シュウ酸が消えることはありません。
ただ、茹でることでほうれん草の水溶性ビタミンが水に溶け出てしまうので、シュウ酸除去ができるギリギリの茹で時間を考える必要があります。
オススメの茹で時間は、葉と茎にわけ、茎を1分茹でて、葉を加えてさらに1分茹でる事です。
これがシュウ酸除去とビタミンを残す最適な時間です。
茹で時間さえ考えれば、レシピは考えなくても大丈夫です。
醤油をかけてお浸しにしても、スープ料理にしても大丈夫です。
ぜひ実践してみて下さい^^。
補足
サラダほうれん草にはシュウ酸がなく茹でる必要はありません。そのため、水溶性ビタミンが水に流れません。栄養価は大きく変わりませんので、サラダほうれん草の方が最終的に摂れる栄養素は多くなります。
美味しいほうれん草の選び方
ほうれん草を選ぶ際には3つのポイントを見て下さい。
- 色味
- 葉脈
- 軸(根元)
色味が綺麗な緑色のものを選んでください。
茶色がかっているものは保存状態が悪く、鮮度が悪いです。
次に葉脈を見ます。葉脈とは葉に見える脈の事です。
葉脈が左右対象でくっきりしているものが成長が良く、美味しいほうれん草です。
最後に軸(根元)を見て下さい。
軸(根元)が太くしっかりしているものは成長が良い証拠です^^。
ほうれん草の保存方法
ほうれん草は冬が旬の野菜なので、冷蔵庫保存でも低温障害の心配はありません。
補足
低温障害でわかりやすいのはバナナです。冷蔵庫に入れるとあっという間に黒くなります。夏が旬の野菜や果物は冷蔵庫保存に向いていません。
ほうれん草は乾燥に弱いので、新聞紙に包んで霧吹きなどで軽く湿らせて冷蔵庫(野菜室)保存をして下さい。
また、ほうれん草は立ち野菜(立って育つ野菜)なので、立てて保存するようにしましょう!
冷蔵保存することで、2〜3日保存が可能です。
冷凍保存の方法
ほうれん草を冷凍保存するには、一度茹でてから保存がオススメです。
茹で終えたら食べやすい大きさにカットし、フリーザーバックなどに入れて保存をします。
解凍後のほうれん草は細胞壁が壊れており「ベシャ」とした食感になります。おひたしなどは向いていません。
スープなどに入れて食べるようにして下さい。
冷凍保存することで約1ヶ月保存可能です。
まとめ
ほうれん草はアニメ「ポパイ」のイメージからか、健康に良いと思われている野菜です。
ほうれん草が「健康に良い」というイメージは間違っていません。
ビタミンやミネラルが種類多く、かつ量としても豊富に含まれており、食生活の強い味方になってくれる野菜です^^。
特に鉄分は豊富で、全野菜中トップクラスの含有量です。
ほうれん草にはシュウ酸が含まれているため煮たいところですが、水溶性ビタミンも多く含まれているため悩ましいところです。
この時間でシュウ酸は気にならなくなり、かつビタミンが残せる最適な時間です。
ぜひ実践していただけたらと思います^^。