野菜のコラム記事

ほうれん草に多いシュウ酸とは?その副作用と除去のコツを調査!

ほうれん草に多いシュウ酸とは?その副作用と除去のコツを調査!

ほうれん草はシュウ酸があるから茹でなきゃダメ!

というのは常識ですね。

ほうれん草を生で食べると歯が「キシキシ」なるのはシュウ酸の影響です。

なかさん
なかさん
シュウ酸はミネラルを凝固化する効果があるんです。

ほうれん草独自のえぐみ(苦味)もシュウ酸によるものです。

でも、シュウ酸が危険というのは知っているけど、実際にはどんな副作用があるの?

というところまで知っている方は少ないはず。

そこで、この記事ではこんなことを調べました^^。

この記事でわかること

  • シュウ酸とは?
  • シュウ酸の副作用は?
  • ビタミンを残してシュウ酸を除去する方法
  • シュウ酸は私たちの生活で役立っている

以上のことを紹介します。

シュウ酸は摂りすぎると危険ですが、摂った場合の影響や、シュウ酸が私たちの身の回りに使われていることを知らない方も多いはずです。

この記事を読んでいただければ、きっとほうれん草のシュウ酸について考え方が変わると思います^^。

なかさん
なかさん
シュウ酸は悪いだけの成分ではないんです。

ほうれん草のシュウ酸とは?

ほうれん草のシュウ酸とは?

シュウ酸は、正しくはジカルボン酸と言います。

ジカルボン酸は農作物が土からミネラル分を吸収するために発生する成分です。

そのため、シュウ酸はほうれん草だけに含まれている訳ではなく、小松菜などの野菜にも含まれています。

なかさん
なかさん
シュウ酸はほうれん草だけが持っているのかと思っていましたが、そうでは無いんですね。

お茶やコーヒーなどにも含まれているんです。

シュウ酸はほうれん草だけに含まれているのではない
引用:尿路結石症診療ガイドライン 2013年版

上の表を見ていただければわかりますが、ほうれん草には群を抜いてシュウ酸が含まれています。

キャベツやブロッコリーなどの2倍以上です。

ですから「ほうれん草はシュウ酸を落としてから食べましょう」と言われる訳です。

シュウ酸の副作用。尿路結石の原因になる

シュウ酸の副作用。尿路結石の原因になる

ほうれん草を食べると歯が「キシキシ」なりませんか?

これは、ほうれん草のシュウ酸が口の中のカルシウムと結びついて「シュウ酸カルシウム」になったからです。

この「キシキシ」なるシュウ酸カルシウムは歯石の原因になります。

また、体内に入ると尿路結石の原因になります。

どれくらいならほうれん草を食べてもいいの?と気になると思います。

1日1kgならほうれん草を食べても大丈夫と言われていますが、朝日新聞では量に関係無くシュウ酸の危険性が指摘されています。

ホウレンソウをあまり食べない(月に1回未満)、普通(月に1~7回)、よく食べる(月に8回以上)で比べてみると、ホウレンソウの摂取は男性および高齢女性において腎結石と関連し、若年女性では関連しませんでした。ホウレンソウをあまり食べない群と比較して、月に8回以上食べる群では、男性では1.3倍、高齢女性では1.34倍、尿路結石を発症しやすかったのです。
引用:朝日新聞

月に8回以上食べたグループは、男性・高齢女性は1.3倍以上の尿路結石の発症率があったとのこと。

なかさん
なかさん
ほうれん草を食べる時は、しっかりとシュウ酸を落としてから食べたほうがいいですね!

ビタミンを減らさずにシュウ酸を除去する茹で方は?

ビタミンを減らさずにシュウ酸を除去する茹で方は?

シュウ酸は水溶性なので、茹でることで水中に溶かすことができます。

しかしここで問題が・・・。

ビタミンは水溶性のものが多いんです。

茹でることでシュウ酸を除去できますが、同時にビタミンを失ってしまっては本末転倒です。

水溶性ビタミン

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンC

水溶性ビタミンは以上の9種類があります。

茹でてしまったら、これらビタミンも失われてしまうんです。

なかさん
なかさん
ほうれん草にはビタミンCや葉酸が豊富です。これらが無くなってしまうのはもったいない。

そこで、できるだけビタミンを失わないでシュウ酸を除去するコツを紹介します。

ビタミンをできるだけ失わないでシュウ酸を除去するコツ

ビタミンをできるだけ失わないでシュウ酸を除去するコツ

ビタミンを失わないでシュウ酸を除去するには、茹で時間を調整することで解決します。

ほうれん草は茎と葉で火の通る時間が異なります。

茎と葉の2つに切り分けてください。

茎から先に茹でます。

茎を30秒茹でたら、葉を入れてさらに30秒茹でてください。

これでザルにあけて、冷水で冷やします

この茹で時間がシュウ酸が気にならなくなるちょうどいい茹で時間です。

これ以上茹でてしまうとビタミンの欠損が勿体無いので「茎30秒・葉を入れてさらに30秒」で試していただければと思います。

補足
水でもシュウ酸の除去は可能です。水の場合は水に15分程度浸けてみて下さい。シュウ酸が気にならなくなるはずです。高齢の方などで火を使いたくない方は水でのシュウ酸除去がお勧めです。

炒めてもシュウ酸の除去はできない

炒めてもシュウ酸の除去はできない

中華料理などで、ほうれん草を洗ってそのままフライパンで炒める姿を見ると思います。

この料理方法はお勧めできません。

炒めるとシュウ酸が気にならなくなり、除去できたと思ってしまいます。

しかし、実際にはほうれん草を油でコーティングしているだけです。

少量しかシュウ酸の除去ができていません。

炒める際にも、茹でてからほうれん草の使用をお勧めします。

シュウ酸は危険物質ではない。添加物として使用されている

シュウ酸は危険物質ではない。添加物として使用されている

ここまで見ていただくと、シュウ酸はまるで「危険な物質」だと思ってしまうと思います。

しかしそんなことはなく、シュウ酸は私たちの生活する上で必要不可欠な物質なんです。

シュウ酸を口に入れると「キシキシ」という歯ごたえがしますよね?

シュウ酸がカルシウムなどのミネラルを凝固化するためです。

この凝固化の力を使って、豆腐のにがりに含まれていたり、ハムやウィンナーなどの成形を早めるために使用されています。

シュウ酸がなければ効率的にハムを作ることができず、ハムの価格はもっと高くなると思います。

シュウ酸は摂りすぎると危険ですが、「私たちの生活を楽にしてくれる物質」という考えも同時に持っておくといいのではないでしょうか?

ABOUT ME
アバター
なかさん
野菜town管理人・野菜ソムリエのなかさんと申します。野菜とコーヒーと筋トレが大好きな2児の父です。野菜中心の生活で体調が一変したことから野菜にのめり込み、より生活を向上できる食生活を追求。 自炊ができるよう、栄養豊富で簡単にできるレシピを作っています。 レシピサイトはこちらです