「飲むだけで野菜の栄養を補えます!」
そんなサプリメント(ビタミン剤)が、薬局に行くとたくさん販売されています。
サプリメント(ビタミン剤)は、錠剤を飲むだけでいいのでとっても楽です。野菜が苦手な方にとっては救世主のようは存在ですよね!
しかし、サプリメント(ビタミン剤)から摂る栄養と、野菜から摂る栄養が同じかどうか気になりませんか?
私はサプリメントをたくさん摂取してきた過去があります。
今回は、たくさんサプリメントについて学んでいく中で気づいたことがあるので、その学びからわかったことをシェアしようと思います。
この記事を読んでいただくことで、サプリメントから栄養を摂ることが意味あることか理解できると思います。
エビデンスがあるよう、論文などの研究結果は信頼ある公共団体などから引用していますので、安心してください^^。
- 「葉酸およびそのサプリメント摂取に対する妊婦,管理栄養士・栄養士,管理栄養士・看護師養成校の学生の認識」佐藤 陽子, 中西 朋子, 横谷 馨倫, 千葉 剛, 梅垣 敬三
- 「サプリで野菜のビタミン補える? 食品からの摂取前提 使うならジュース系」公益財団法人 静岡県薬剤師会
- 「サプリメントだけで人間は生きていけるのか」東洋経済ONLINE
この記事の目次
野菜のサプリメント(ビタミン剤)は効果ある?
いきなり結論ですが、野菜townでは「野菜のサプリメント(ビタミン剤)から得られる栄養と食品から得られる栄養は別物」と考えています。
それは製法から考えれば明らかです。
野菜のサプリメント(ビタミン剤)は、野菜を乾燥させて細かく裁断させたものが入っています。
ビタミンや酵素は熱に弱いものが多いです。特にビタミンCなどの水溶性ビタミンは熱に弱いとされています。
そのため、野菜を乾燥させるための熱や、細かく裁断した際の摩擦熱で多くのビタミンは失われていると言えます。
もしくは、野菜本来が持つビタミンとは変わってしまっていると言えます。
製造された栄養素と野菜の栄養は違う
「でも、ラベルに記載されている栄養素は摂取できるんでしょ?」
と思う方もいるかもしれません。
ラベルには、野菜が持つ栄養素がより多くのビタミンが錠剤の中に入っているかのように記載されていますよね。
しかし、製造されたサプリメント(ビタミン剤)と食品から摂る栄養素は異なるという研究結果が出ています。
例えば、「カルシウム」です。
サプリメントでカルシウムを400mg以上摂取したとしても、骨密度は変わらないという研究結果が報告されています。
しかし、野菜や牛乳から摂取した場合にはその限りではありません。
また、サプリメントでのカルシウム摂取に関して「米国心臓協会ジャーナル」が発表された論文によって、サプリメント(ビタミン剤)からカルシウムを摂取することで動脈硬化の危険性を指摘されています。
米ノースカロライナ大学チャペルヒル校とジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らが10月に米国心臓協会(AHA)の「米国心臓協会ジャーナル」で発表した論文によれば、サプリメントによるカルシウムの過剰摂取は動脈の石灰化を促し、心臓病のリスクを高めるという。冠静脈の石灰化は、心臓発作その他の命に係わる病気と深く関連している。
引用:Forbesjapan
同じ栄養素でも、サプリメントから摂る場合と食品から摂る場合で摂取する場合で、体の反応が異なることを考えると、自然な食事から摂取した方がいいと考えられます。
同じ栄養素でも、人間の体は製造された栄養素と食品が持つ自然な栄養素は、異なる物質と認識する力があるようです。
体にいいと思われているサプリメントの誤解
野菜のサプリメントだけでなく、こんなにたくさんのサプリメントが、研究結果から否定されています。
マルチビタミン・ミネラル
多くのビタミンが総合して入っているのがマルチビタミン・ミネラルのサプリメントです。
一見すると、多くのビタミンを摂取できるので「健康にいいはず!」と思いがちです。
しかし、マルチビタミンは多くの論文・研究結果から、その効果を否定される傾向があります。
米国心臓協会の学術誌では、その効果性を否定しています。
また、日本の「国立がん研究センター」の多目的コホート研究(JPHC研究)でもマルチビタミンの摂取の有効性を認められないとしています。
最近海外の研究で、虚血性心疾患患者において葉酸・ビタミンB 12の併用療法が、がん罹患・全死亡リスクの上昇に関連したという結果が報告されるなど、ビタミンB群サプリメントの効果・安全性ともに確立しておりませんので、今回の研究だけでは摂取をお勧めすることはできません。
またがんに関しては、体調が悪いからと摂取を始めたり、不健康な生活の代替手段として摂取したりすることは、予防につながらない結果となりました。
さらに、男性では、どのビタミンサプリメント摂取パターンも、全がんおよび循環器疾患リスクとの間に、とくに関連は認められませんでした。
これらの結果より、ビタミンサプリメントに頼らず、科学的根拠に基づいて、食事や生活習慣の改善を目指すほうが大切です。
引用:国立研究開発法人国立がん研究センター「予防研究グループ」
マルチビタミン・ミネラルに関しては、人によっていい影響もある。しかし、不健康にする可能性もある。という認識でいればいいと思います。
カルシウム
骨を強くすると言われるカルシウム。
しかし、このカルシウムもサプリメントでの摂取を否定されています。
アメリカやスウェーデンの研究結果によると、カルシウムをサプリメントから摂取していた場合、心臓疾患系にかかる可能性が2割上がった。
また、スェーデンの女性6万人に対する調査では、カルシウムを1日1400mg以上摂取した場合、病気にかかるリスクが5割高くなったという結果があります。
しかし、食物から摂取した場合には、病気にかかるリスクの上下に関連性はなかったとしています。
「カルシウムは安全なサプリメント」と思っている方もいるでしょう。しかし2010年代に入り、心臓血管系の副作用が疑われるようになりました。代表的な研究を紹介します。
2013年、アメリカで39万人を12年間追跡調査した研究で「1日1000mg以上のカルシウムをサプリメントで摂取していた男性は、心臓血管系の死亡率が2割高い」と報告されました。また、スウェーデンの女性6万人を19年間追跡した研究では「1日1400mg以上摂取した人は死亡リスクが5割高い」と報告されています。
どちらの研究でも、食物だけでカルシウムを摂取した人の死亡率は高くありませんでした。
引用:全日本民医連
骨を強くすると言われるカルシウムが、まさか病気にかかるリスクをあげていたなんて、信じたくない事実です。
青汁
青汁の緑がかった色味や匂いから、たくさん栄養を摂取できてる!と思いますよね?
しかし、実はそんなことはないんです。
メーカーによって異なりますが、含まれている栄養素を野菜に換算すると、多くても100g程度です。
厚生労働省からは「一日平均で野菜を350g以上を摂取する」ことが目安とされています。
これらの摂取量と食品摂取量との関連を分析すると、野菜の摂取が寄与する割合が高く、平成9年で成人の野菜の1日あたりの平均摂取量は292gであるが、前述の栄養素の適量摂取には、野菜350~400gの摂取が必要と推定される9)ことから、平均350g以上を目標とする。
引用:厚生労働省
青汁を飲むのなら、トマトなどの野菜を一つ食卓に加えた方が、健康的にもお値段的にもおすすめです。
青汁にお金を特におすすめなのはスロージューサーを使った調理です。
スロージューサーを使えば、とっても簡単に350gの野菜を摂取できます。
野菜townでは、栄養の摂取や消化の負担を考えて、最もおすすめの調理法としてジューサーをおすすめしています。
ジューサーを使った調理がどのようなものがまとめていますので、よかったら見てみてください!
https://vegetables.yasaioisii.net/archives/1040/
https://vegetables.yasaioisii.net/archives/828/
野菜のサプリメントは効果ある?まとめ
野菜のサプリメントだけに限らず、「体にいい」とされているサプリメント(ビタミン剤)も、様々な研究結果から否定されていることがわかったと思います。
サプリメントについて学べば学ぶほど食品から栄養をとった方がいいことに気づきます。
しかし、サプリメントを摂らない方がいいかというと、そうではありません。
肉食ばかりの方や、野菜が苦手で食べる機会がない方はサプリメントを飲んだ方がいいです!
でも、サプリメントは「食事の補助」でしかないことは忘れてはいけません。
何万年も進化してきた私たち人類は、進化の過程で食べてきた食品から栄養を吸収するように最適化されています。
栄養は自然な食事から摂る。しかし、どうしても足らない栄養素があればサプリメントから摂る。
食品は調理をしなければならないので面倒です。
しかし、もし食品からもサプリメントからも栄養を摂れる環境にあるのであれば、面倒でも食品から栄養を摂るように心掛けた方が、体に優しい選択だと思います。