便秘になったら食物繊維を取ればいい。
「便秘解消=食物繊維」という考え方の方も多いと思います。
しかし、この言葉は本当でしょうか。
実は、食物繊維には2つの種類があることをご存知ですか?
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
の2種類です。
そして、この2種類の食物繊維には違う効果があります。
便秘の症状によって水溶性食物繊維が効果的な場合があれば、逆に便秘を悪化してしまう場合もあるんです。
この記事では、
- ご自分の便秘の種類を知る
- 自分の便秘にに合った食物繊維は水溶性?不溶性?
- その食物繊維が入っている野菜はこれ!
という流れで紹介しています。
あなたの便秘の種類当てはめながら記事を読むことで、どのような野菜(食べ物)を食べたら良いかわかるようになっています。
この記事を読むことで、ずっと使える「便秘を解消するための考え方」がわかります。
「便秘になったらとりあえず食物繊維食べよ〜」と思っているのでしたら、きっと良い発見があると思います。
この記事の目次
あなたの便秘は痙攣性・弛緩性?どっちのタイプ?
便秘は大きく分けて2つの種類があります。
- 弛緩性便秘
- 痙攣性便秘
の2種類です。
あなたの便秘はどちらの状態でしょうか?
それぞれの便秘の特徴を紹介していくので、ご自分の状態と照らし合わせてみてください。
ご自分の便秘の種類がわかれば、その状態に合った食物繊維(野菜)がわかるようになります。
弛緩性便秘は便が硬いのが特徴
弛緩性便秘とは、腸の動きが弱いため、腸の排出まで時間がかかってしまう状態をいいます。
長時間腸の中にいることで、便は水分を吸収されてしまい、排出される頃には便の水分はほとんどありません。
そのため、「硬い便」なのが特徴です。
という方は、弛緩性便秘の可能性が強いです。
弛緩性便秘の場合には、腸の中の便に水分を足してあげる必要があります。
水分を足す食物繊維は水溶性食物繊維です。
痙攣性便秘は何度もトイレに行きたくなるのが特徴
痙攣性便秘はストレスなどで、腸の一部が閉まる状態です。
ストレスなどを過度に感じると腸が閉まり、問題が解消されると再び元に戻ります。
ストレスなどを感じない限り、腸の動き(蠕動運動→腸が便を出そうとする動き)は正常です。
歯磨きのチューブの真ん中を潰した時を頭に浮かべてください。
潰した部分にあった歯磨き粉は前後に行き来しますよね?
ストレスを感じ、腸が締まるたびに便が前後に動くのが痙攣性便秘です。
便が前に行ったり後ろに行ったりするので排便まで時間がかかります。
また、通常より前に押し出てしまった便は、水分を多く含むため下痢になります。
便が前に押し出される傾向が強い方は、便秘と下痢を繰り返します。
便が前後に行き来しながら腸の中に長時間便がありますので、お腹に強い圧迫感があるのが特徴です。
便が途切れるため、うさぎのようなコロコロ便が多いのも特徴です。
便が途切れいるため、「便が出た」と思っても出きっておらず、ふたたびトイレへ行きたくなることもあります。
痙攣性便秘に対しては、閉まった部分を刺激する「不溶性食物繊維」を摂ることで解消されます。
弛緩性便秘解消には水溶性食物繊維を含む野菜(食べ物)を摂る
弛緩性便秘の便には水分が足りていません。
そのため、水溶性食物繊維を含む野菜がおすすめです。
水溶性食物繊維は便を水っぽくする機能があります。
ゼリーのような感じです。
水分を含むことで、腸の動きが悪くても滑りよく排便へ向かいます。
水溶性食物繊維を多く含む野菜はこちら
- 穀物類(小麦粉・ライ麦粉・オートミール・そば等)
- 果実類
- ごぼう
- モロヘイヤ
- わかめ
- 海藻類(もずく、ひじき、昆布、海苔)
水溶性食物繊維を多く含むのは海藻類です。
わかめなどの「ネバネバ」としたところが水溶性食物繊維です。
また、他に水溶性食物繊維を最も含むのは「ライ麦粉」です。
100gあたり4.7gもの水溶性食物繊維を含んでいます。
次に多いのは果実類(特にプルーン・イチジク)です。100gあたり3.3gの水溶性食物繊維を持っています。
続いて多いものは「ごぼう」です。
100gあたり2.3gの水溶性食物繊維を含みます。
水溶性食物繊維を多く含む「簡単」野菜レシピ
ごぼうの唐揚げ
ごぼうはたくさんの水溶性食物繊維を含むものの「味が苦手」という方も多いと思います。
ごぼうは揚げることで、クセのある匂いが消えて、ポテトチップスのような食感と味に変わることをご存知でしょうか?
片栗粉をまぶして揚げるだけの簡単調理です。
ぜひ、ごぼうを一本買ってきて、唐揚げにしてみてください!
白菜ワカメ
白菜を切って塩で揉み10分置く。
その後、戻した乾燥わかめを混ぜるだけの簡単調理です。
白菜を塩漬けして置く時間は必要ですが、放っておけるので、他の家事を行えます。
ワカメなどの海藻類にはたっぷりの水溶性食物繊維が含まれているので、弛緩性便秘の方にはオススメのレシピです。
痙攣性便秘には不溶性食物繊維を含む野菜(食べ物)を摂る
痙攣性便秘はストレスなどによって、腸の一部が閉まる便秘です。
閉まった腸は刺激を加えることで、正常に開きます。
刺激を加えるのは不溶性の食物繊維です。
不溶性の食物繊維は便のカサを増やします。便のカサが増えることで腸に便を認識させ広げるんです。
不溶性の食物繊維を多く含む野菜(食べ物)こちら
- 切り干し大根
- きのこ類(特にきくらげ)
- レンコン
- グリーンピース
- パセリ
- 白菜
- 大根
- キャベツ
- かぼちゃ
- にんじん
- ピーマン
- 小松菜
- ブロッコリー
- ほうれん草
最も不溶性食物繊維が多いのはきのこ類です。
特にきくらげは100gあたり57.4g入っています。この数値はダントツです。
他には、切り干し大根が群を抜いて不溶性食物繊維を含んでいます。100gあたり17.1g含まれています。
ほとんどの野菜には不溶性食物繊維が含まれていますが、多くても100gあたり4gです。
そのため、きのこ類(特にきくらげ)と切り干し大根を中心に食べるようにすれば、痙攣性便秘解消に効果的です!
不溶性食物繊維を多く含む「簡単」レシピはこちら
生きくらげの刺身
きくらげを沸騰したお湯で20〜30秒茹でます。
その後、冷水でしめて、一口大に切るだけです。
食べるときはポン酢・わさび醤油で食べると美味しいです。
無限きのこ
きのこをたくさん食べ流にはこの「無限きのこ」を除いて他にありません!
大人気の無限系列(他に「無限ピーマン」や「無限にんじん」などがあります)の一つで、とっても美味しいです!
必要な食材はきのこの他にツナ缶だけです。
レンジでチンをするだけの超簡単調理です。
便秘を解消する野菜(食べ物)まとめ
弛緩性便秘は腸の動きが悪く、長く腸に便があることで便の水分が失われる便秘でした。
弛緩性便秘はこのような特徴があります。
便の水分が失われているため、水溶性の食物繊維を多く取りましょう。
水溶性の食物繊維を多く含む野菜(食べ物)はこちらでした。
- 穀物類(小麦粉・ライ麦粉・オートミール・そば等)
- ごぼう
- 海藻類(昆布・海苔・ワカメ)
一方、痙攣性便秘はストレスが主な原因です。
ストレスなどを受けると、腸の一部がグッと閉まり、便が前後に押し出される便秘です。
便が前後に行き来するため、排便までに時間がかかります。
痙攣性便秘の特徴はこちらです。
そして、痙攣性便秘を解消するのは不溶性食物繊維です。
便のカサを増やすことで腸を刺激し、閉まった腸を正常に広げます。
不溶性食物繊維を多く含む野菜(食べ物)はこちらです。
- 切り干し大根
- きのこ類(特にきくらげ)
ご自分の便秘の特徴を知れば、「便に水分を足した方が良いのか?」それとも「便の量を増やして腸を刺激した方が良いのか?」ということが、自然にわかると思います。
ご自分や大事な方の便秘の特徴を見て、適切な野菜(食材)を食べさせてあげて便秘を解消してあげてください!